平成26年度 第三回 広島大学日本語教育学講座 言語・文化・教育研究会 講演会のお知らせ
百濟正和先生(英国カーディフ大学 外国語学部 准教授)
日時:2015年1月8日(木)16:15~18:15
会場:広島大学教育学部 L棟 L107
要旨:
今日SLA研究の発展とともに,タスク中心の教授法(TBLT)が第二言語教育,特に英語教育の現場において注目されるようになり、TBLTが理論・研究と実践の結合点(Adams 2009)という考え方も示されるようになってきている。一方日本語教育においては、「コミュニケーション環境設計」を日本語教育学の中心的な課題と捉え、「実践」=「研究」という理念が提示されている(細川 2005, 2007)。本講演は、欧米において議論されているTBLTにおけるタスク・デザインの考え方を提示しながら、TBLTと「コミュニケーション環境設計」論、及び「実践」=「研究」という理念との類似点を探る。その中で、2000年代に日本語教育に導入されたアクション・リサーチ(横溝 2000)に触れながら、英国における第二言語教育(英語教育)でTBLTとともに注目されたAction Research (AR)を「実践」=「研究」というコンテキストに置いて再検討する。そして、TBLTとARは切り離しがたく、同様に「コミュニケーション環境設計」という視点を欠いたままアクション・リサーチを継続することが困難であることも示唆する。
キーワード:
コミュニケーション環境設計, 教育実践研究, provisional specification, empirical evaluation, a sense of plausibility
お問い合わせ先:
言語・文化・教育研究会世話人
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