海外実習

 

海外日本語実習

韓国、中国、台湾、タイ、インドネシア、ニュージーランド、アメリカ等で日本語教育の教壇実習を行っています。
滞在期間は3週間で、短期留学のようなかたちで異文化を体験するとともに、受け入れ機関の先生方から実習授業に関する指導を受けることができます。
出発前までに、広島大学で現地の文化や生活習慣について勉強するともに、実習校のカリキュラムや教科書の内容分析、教案・教材作成、模擬授業等の準備を行います。
本プログラム参加者には、渡航費や滞在費の一部に助成金が支給されます。

実習を受けてみて

稲吉真子

広島大学の日本語教育系コースには、日本語教育機関で実際に実習ができる授業が二つあり、今回私が参加させていただいたのが、その内の一つの「日本語教育海外実習研究」です。この授業では自分が海外に赴き、母国で日本語を学ぶ学習者に授業をすることができます。国内の学習者に関わる機会に比べ、海外で日本語を学ぶ学習者と接する機会は滅多にないと思うので、とても貴重な経験ができると思います。なお、派遣先は、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、オセアニアなど、世界各国にあります。そのため、自身の指導法はもちろんのこと、その国の日本語教育や学習者の特徴についても学ぶことができる絶好の機会となっています。
私の派遣先は台湾でしたが、台湾の方々はとても親切で、また食事も美味しく(そして安い!)、とても生活しやすかったです。それぞれの国ごとに違った魅力があると思うので、それを楽しめるのもこの授業の魅力だと思います。
慣れない海外で実習をこなすのは色々と不安があると思いますが、それ以上に得る物がとても多いです。また自分がそのような立場に置かれたことにより、日本へ留学している学習者の心情も以前より汲み取れるようになった気がします。もし少しでも興味があるなら、まずは参加してみてはいかがでしょうか。

稲吉 真子

古閑 紘子

私は2007年3月に、トルコ・ボアジチ大学で3週間の実習を体験しました。そこで海外の大学における日本語教育の実際を知ることができました。大学の正規の授業を担当させていただきましたが、ボアジチ大学の先生方が丁寧かつ細やかな指導をしてくださいました。
日本から離れた環境で日本語を教えることで、海外で日本語教師をすることの大変さを実感するとともに、日本では味わえない楽しさや大きな充実感を得ることができました。毎日が新たな発見と体験に満ちていて、こんな経験二度とできない!と思えるほど貴重な3週間でした。

古閑 紘子

伊藤 亜紀

私は2009年3月に、トルコのボアジチ大学で実習に参加しました。実習へ行く前は、広大の授業で、教案作り、教科書分析、模擬授業などの準備をしました。3週間の実習では、学生が実際に使える、そして「使いたい」と思える日本語を教えること、そして、どうすればともに楽しく学べるのかを考えながら、課題に取り組みました。
学生の笑顔、そして現地の先生が、「学生と一緒に成長できることが教師の魅力」と、楽しそうに語ってくださったことが忘れられません。自らが「外国人」となる環境で、さまざまな異文化体験をしながらの実習。怒涛の3週間でしたが、実習を通して「こんな教師になりたい」という夢が具体的になり、成長できた気がします。

伊藤 亜希

川元 志織

日本に興味津々な学生たちに囲まれて海外の大学で日本語を教える、という日本語教師を目指す人にとっては夢のようなプログラムです。先生方からの授業についてのアドバイスや授業中の学生たちの様子から、学習者が「楽しく学べること」がなによりも大切であるということを学びました。言葉や環境の違いに戸惑うこともありましたが、実習を通して「わかりやすくて楽しい日本語の先生」になるという新たな目標ができました。

川元 志織

鳥居 史高

私は2014年2月から3月にかけての3週間、イギリスのオックスフォード・ブルックス大学で実習をしました。「学生に分かりやすい授業」「楽しく学べる授業」を目指して取り組みましたが、「分かりやすいだろう」と思った方法がうまくいかなかったり、授業中に学生とうまくコミュニケーションが取れなかったり。実力不足を痛感するとともに、「日本で日本語を教えること」と「海外で日本語を教えること」、両者の違いに驚きました。
もどかしい毎日が続きましたが、現地の先生方の厳しくも適確な指導と、何より私の授業を受けてくれる学生たちの存在が気持ちの支えとなりました。最終日、自分の授業が学生の学びにつながった瞬間の互いの喜びは今でも忘れられません。
あれから3年が経ちましたが、ブルックスの先生や学生のみんなに教わったことは今の私の礎になっています。教師としての自分を成長させる種を蒔いてくれた、大切な経験です。

鳥居 史高

徳永 理乃

このプログラムでは、海外の大学における日本語教育を学びながら、実際の教育現場で日本語を教えるといったここでしか得られない経験ができます。先生方の熱意ある指導や学生たちの前向きな学習姿勢を感じながら日々過ごすことで、言葉にはできない達成感や刺激を受けつつ学習し成長することができました。また、日本語教育に関する技術的な面だけでなく、海外の学生たちとの交流を通じて得られるのは広い視野や多様な価値観。ここでの経験や出会いは、人生におけるかけがえのない宝物です。

徳永 理乃

高築 隼人

私は2016年3月に、韓国の建国大学で実習に参加しました。もうすぐ4年生という、大学生活も終盤の時期でした。自分がこのコースで学んできた事の証になり、またその成果を感じるチャンスだと思って参加を決めたのを覚えています。簡潔にまとめると、この実習は学生生活の集大成でもあり、同時に新たな学びのスタートでもありました。たしかに、日本語教育系コースで培ったものを実践できる最適の場であったことは間違いありません。ですが、日本にいて机の上で勉強しているだけでは決して学べない、感じえないものも多くあり、毎日新鮮な気持ちで意欲的に過ごすことが出来ました。特に建国大学では、授業時間外でも先生や学生たちと過ごす機会が多くあり、そこでも日本語を扱うため、「第二言語としての日本語」と向き合う時間もとても長かったです。楽しさの中にも考えさせられる事が沢山あり、実習生として最高の環境であったと思います。準備の期間も含め様々な苦難はありましたが、実習を終えた今、大学生活で最も楽しく、最も充実した日々だったと感じています。「日本語教育海外実習研究」は、他の学部学科にはない、日本語教育系コースの最大の魅力のひとつではないでしょうか。

高築 隼人